現代視覚文化論考

主に現代の日本国におけるアニメーションを、完全に私的な立場から論考します。

IS <インフィニット・ストラトス>

 

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 IS <インフィニット・ストラトス>とは、弓弦イズル先生原作の2011年に放映されたアニメである。

 また、同小説は2009年にMF文庫Jから出版された後に、2012年にオーバーラップに出版元を移した。

 

<ジャンル>

  1. ハーレム
  2. ロボット
  3. 学園もの 

 

<目次>

 

 

概説

 織斑一夏を主人公とし、5人のメインヒロインにより構成されるハーレムアニメである。また、主人公以外の男性はアニメ中では基本的に出てこず、純男子禁制の花園となっている。他の女子生徒も基本的には従順な性格であり、性善説を前提に話は進行する。したがって、男女間のいざこざなど余計なものを一切気にせず、ひたすらにハーレムに没入できる作品となっている。

 本主人公は度を越した鈍感体質・恋愛意識が欠落しており、主人公に嫉妬することは一切なく、むしろそんな唐変木な主人公を追いかけるヒロインを全力で応援したくなるような作品である。更に全ヒロインが明確に主人公に恋をしているため、ハーレムというよりもはや主人公争奪戦の様相を呈している。

 また、ヒロインが多国籍であるという点も評価したい。出身国が性格によく表現されており、その要素も本作をより豊かにしている。

 その性質から、個人的にハーレムアニメとしては日本最高峰であり、ISという機体が支配する世界観もよく作りこまれているため、キャラアニメとしてだけでなく物語としても楽しめる。

 が、如何せん本作品はキャラが秀逸であるので、やはりハーレム系キャラアニとして見て頂くのが最適のように思える。

 

 

キャラ

 

篠ノ之 箒 (しののの ほうき)

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 主人公と幼馴染であるメインヒロイン。出身国は日本。幼馴染であるが小学校時分の親の転勤により、主人公と再会するのは6年ぶりとなる。性格は、大和撫子を通り越してさながら武士である。「男女七歳にして同衾せず」などという台詞もあり、いささか堅苦しい印象を受ける。

 幼少期より主人公と一緒に剣道をしており、剣道では全国大会にも出場している。メインヒロイン補正により一番登場回数が多い。

 

 

セシリア・オルコット (Cecilia Alcott)

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 ブロンドの縦ロールが印象的なヒロイン。出身国はイギリス。ヒロイン中最もプライドが高い。シャルロットやラウラ登場以降多少負けヒロイン扱いを受けているのが可哀想である。

 また、料理に関してはからっきしであり、作中でも度々弄られている。作中で最も弄られる回数が多い弄られキャラである。プライドが高い人物は逆説的に弄られやすいのだろうか。

 

 

凰 鈴音 (ふぁん りんいん)

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 箒と同じく主人公の幼馴染であり、セカンド幼馴染という立ち位置である。出身国は中国。典型的なツンデレツインテールである。主人公とは許嫁の約束をしたつもりでいるが当の主人公は全く気にしていない。セシリアと同じくシャルロットやラウラ登場以降多少負けヒロイン扱いを受けている印象がある。お国柄を呈しているのか多少高飛車なところはあるが、ラウラを比べると可愛らしいものである。ツンデレ初心者受けするヒロインだと思われる。

 

 

シャルロット・デュノア (Charlotte Dunois)

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 当初は男性を偽りIS学園にスパイとして入学してきたヒロイン。出身国はフランス。協調性が高く器用な性格なためになにかと面倒見の良い性格をしている。一番大人びており視聴者に圧倒的人気を誇る万能型王道ヒロインである。当初主人公と部屋を同じくしており、その時のイチャラブの破壊力は万死に値する(最初に同室していた箒さんは一体なにをやっていたのだろうか)

 6話のシャルロット回は日本のハーレム史にも残るイチャラブだったのではないかと推測される。

 また、有名な台詞である「一夏のエッチ……」は、当時の花澤香菜さんの人気も相まって、未だに記憶に残っている視聴者も多いのではないだろうか。

 

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ (Laura Bodewig)

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 本作ヒロインで一番大胆な性格をしている白髪オッドアイのヒロイン。出身国はドイツ。主人公とは初対面で平手打ちをしたと思ったら、有無を言わせずキスをするなどあらぶった行動を見せる。

 幼少期から戦う道具として育てられたために、教育は偏っており愛情表現も極端である。しかし、それ故に恋愛やそういった感情に対して一番ピュアな姿勢を持っている。良くも悪くも愚直であり、一度思い込んだものに対して一切のブレがないところも魅力的である。

 

 

 

世界観

 ISという高度軍事機体が世の中を支配している世界。また、ISは原則的に主人公を除いて女性しか操縦できないという設定から完全な女尊男卑社会となっている。

 しかし、ISに関して条約や開発憲章などの規制がなされていることで、作中ではもっぱらスポーツなどの利用用途に限定されている。

 作中で男性は主人公しか登場しないが、何故だか登場する女性のほとんどが主人公のことを慕っており、さながらユートピアである。しかし、主人公はそんな環境に一切欲情することなく、ある意味で男性らしくない姿勢を一貫している。この姿勢は非常に勇ましく、「ハーレム主人公たるもの、かくあれ」というメッセージが背中から感じられるようだ。

 また、ヒロイン一人に対して、その個性をよく表した専用のISが設定されており、制服のデザインもヒロインによって異なり、細部までよく作りこまれている。

 

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各ヒロインに対してユニークな制服デザイン

 

 

展開

 ISを用いた決闘やトーナメントなどバトルを軸にした物語進行となる。その間々のヒロインとのイチャラブがあるのだが、なんにせよこのイチャラブの完成度がすさまじい。

  また、サービスシーンが豊富であり、まるでエロゲをプレイしているような感覚に陥る(重ねて言うが主人公はこのシチュエーションに一切欲情しない)。バトルを終えた後のご褒美シーン、これが癖になるのだ。

 

↓以下、参考画像

 

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セシリアにサンオイルを塗る一夏

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シャルロットと混浴する一夏

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ラウラに夜這いされる一夏

 

総評

  やはり、本作の魅力は現代では珍しい異常な主人公の鈍感さとそれによるヒロインの一途さでしょう。この偏りっぷりが本作をハーレムアニメの最高峰に押し上げている要因だと考えられます。

 因みに私の推しはもっぱらラウラ・ボーデヴィッヒちゃんです。幼少期からの偏った教育ゆえの偏った愛、極端な言動、それら全てが愛おしいのです。

 

 

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ラウラとのキスシーン

 

ハーレム好きの全人類におすすめです。

 

IS〈インフィニット・ストラトス〉 1 (オーバーラップ文庫)

IS〈インフィニット・ストラトス〉 1 (オーバーラップ文庫)